練馬区立美術館・貫井図書館とサンライフ練馬の解体工事に関する請願について

区民生活委員会 令和7年9月16日

区民生活委員会では、練馬区立美術館・貫井図書館とサンライフ練馬の解体工事について、本体工事の入札・契約が整うまで着手しないよう区に働きかけることを求める請願第5号(署名499筆)が審査されました。契約方式の実現可能性や、解体・本体工事の着工見送りの理由などについて質疑が行われました。

請願にある契約方法の実現可能性について

請願第5号は、練馬区が今年度中に予定していた練馬区立美術館・貫井図書館とサンライフ練馬の解体工事について、本体工事の入札・契約が整うまで着手しないよう区に働きかけることを求めるものです。

理由として、建設費・資材価格の高騰により全国で建築プロジェクトの延期や入札不調が相次いでおり、解体工事を先行させた後に本体工事の入札・契約が整わない事態になれば、施設を長期間利用できなくなり区民に重大な不利益を強いることになる、との懸念が示されました。

質問1: 請願にあるような、本体工事の入札・契約が整うまで解体工事に着手しない契約方法は実際に可能か?

しばたさちこ委員は、請願が求める契約方法(解体工事を本体工事の入札・契約後に着手すること)が実現可能かどうかを質問しました。

区の答弁(美術館再整備担当課長)

〈答弁のポイント〉
解体・本体工事の発注には一括発注と分離発注があり、一括発注はゼネコンが受注を避ける傾向があるため分離発注を採用していると説明。契約後に一定期間着工しない手法自体は昇降機工事等で実施例があり適用可能だが、着工が年単位先となる契約をゼネコンが受注するか等、慎重な検討が必要と答弁しました。

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解体工事と本体工事の発注は、一括して発注する方法と、分けて発注する分離発注の二つがございます。前者の一括発注では、技術者を長時間、長期間専任させる必要があるために、いわゆるゼネコンが受注を避ける傾向がございます。このため、美術館・図書館の工事では、不調リスクを回避するために分離発注としております。契約後、一定期間着工しないという方法は、例えば既に昇降機工事などでも実施していますので、工事にも適用可能と考えられます。今回のように、現場の着手が年単位先となる契約をゼネコンが受注するかなど、請願の願意にかなう発注方法を採用するには、慎重な検討が必要であると考えてございます。

来年度の解体・本体工事着工見送りの理由

施工業者へのコンストラクションマネジメント(CM)の一環としたヒアリング調査の結果、令和8年度時点での本体工事着工は事業者確保の見通しが立たないことが判明し、区は来年度の本体工事着工の見送りと同時に、解体工事の着工も見送ることを決定しました。

質問2: なぜ解体工事も同時に延期することになったのか?

小松あゆみ委員は、本体工事の着工見送りに合わせて解体工事も延期することになった理由を質問し、現施設の継続開館を強調する姿勢から、区も既存施設の存続の必要性を認識したのではないかと確認しました。

区の答弁(美術館再整備担当課長)

〈答弁のポイント〉
6月から実施した施工業者へのヒアリングで、ゼネコンが利益率の高い民間案件を優先し公共施設への受注意欲が低いこと、事業者確保の見通しが立たないことを確認。8月末の報告を受け、9月に来年度着工の見送りを判断したと説明しました。

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この4月から実施しているコンストラクションマネジメントの一環として、6月から施工業者にヒアリングをした結果、ゼネコンの受注傾向として、現在は一般的な事務所や住宅など利益率の高い案件を優先して、公共施設への受注意欲が低いこと、事業者の確保の見通しが立たないことなどを改めて確認したところです。8月末にヒアリング調査の報告を受けまして、この状況下で現在のスケジュールを進めることは難しいと判断いたしまして、解体工事の着工時期を考慮して、9月に入って直ちに来年度の着工の見送りを判断したものでございます。

今後の着工見通しと既存施設の継続運営について

施工業者へのヒアリングでは、令和9年度から令和10年度がゼネコンの受注ピークとなる見込みが示されており、区は少なくとも1年間は建設市場の状況を慎重に見極める方針を示しました。

美術館再整備の必要性については、施設が今年で40年目を迎え老朽化が進んでいること、バリアフリーの課題、7,700点の収蔵品の展示・収蔵環境の課題があること、また設計ワークショップを5回実施し区民とともに計画を作り上げてきた経緯が改めて説明されました。

質問3: 本体工事の着工見通しが立つまで既存施設の解体・着工を行わず、継続して運営してもらえるのか?

小松あゆみ委員は、本体工事着工の見通し(令和11年度頃に進められる見込みか等)や、隙間受注の想定期間について確認するとともに、入札・契約のめどが立つまでは既存施設を継続運営するよう求めました。

区の答弁(美術館再整備担当課長)

〈答弁のポイント〉
受注ピークは令和9〜10年度と見込まれるが、大手ゼネコンの他案件の着工遅延・中止による受注の「隙間」が生じる可能性もあり、建設市場の動向を継続的に注視するとした上で、今回の着工見送りを受けて現行施設は引き続き開館するとの考えを示しました。

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施工業者へのヒアリングで、現状では令和9年から令和10年度が受注のピークというお答えをいただいています。そういったところから、少なくとも1年間は状況を慎重に見極める必要があるということでお答えしたところです。ただ、その間についても、ゼネコンが請け負っている予定案件の工事着工が遅れるとか、中止といった隙間が生まれて受注が可能になるということも同時に聞いてございます。今回の本体工事と解体工事の着工の見送りを受けまして、現行の施設につきましては、引き続き開館をするという考えでございます。引き続き建設市場の動向を継続的に注視しながら、施工業者の確保が見込まれる段階に至った時点で着工の判断をしまして、解体工事、本体工事と進めていく予定でございます。

質疑のポイントとまとめ

  • 請願第5号は、練馬区立美術館・貫井図書館とサンライフ練馬の解体工事について、本体工事の入札・契約が整うまで着手しないよう求めるものです(署名499筆)。
  • 美術館再整備担当課長は、請願が求める契約方法は不可能ではないが、着工時期が年単位先となる契約をゼネコンが受注するか等、慎重な検討が必要と答弁しました。
  • 施工業者へのヒアリングの結果、事業者確保の見通しが立たないことから、区は来年度の本体工事着工とともに解体工事の着工も見送ることを決定しました。
  • 現行の美術館・図書館・サンライフ練馬は、着工見送りを受けて引き続き開館する方針が示されました。
  • 委員会では意見が交わされたものの、請願は本日のところ継続審査とされ、次回委員会で改めて審査されることになりました。

⇒ 今後の動向を注視してまいります。

議事録抜粋(出典)

発言者会議発言抜粋
美術館再整備担当課長 区民生活委員会 解体工事と本体工事の発注は、一括して発注する方法と、分けて発注する分離発注の二つがございます。…このため、美術館・図書館の工事では、不調リスクを回避するために分離発注としております。
しばたさちこ委員 区民生活委員会 この請願の言う契約方法を否定も肯定もできないと感じております。
美術館再整備担当課長 区民生活委員会 ヒアリングをした結果、ゼネコンの受注傾向として、現在は一般的な事務所や住宅など利益率の高い案件を優先して、公共施設への受注意欲が低いこと、事業者の確保の見通しが立たないことなどを改めて確認したところです。
小松あゆみ委員 区民生活委員会 今年度に予定していた解体工事は、見送りになりましたので、この請願の願意に沿うことにはなったと考えております。

出典: 議事録より抜粋。全文は区議会の会議録をご覧ください。

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