保健福祉委員会では、生活保護受給者が交通事故により負傷した費用に関して区が取得した損害賠償請求権をめぐる訴えの提起(議案第71号)について報告があり、事故の経緯や過失割合の主張根拠、後遺障害賠償との関係などについて質疑が行われました。
事故の概要と訴訟提起に至る経緯
令和3年4月10日、大泉総合福祉事務所において生活保護を受給している方が、自転車運転中に個人タクシーと接触し、左大腿骨を骨折する事故が発生しました。
区は医療扶助・介護扶助・介護給付費として計527万2,835円を支出し、生活保護法及び介護保険法に基づき被保護者から損害賠償請求権を取得しましたが、自賠責保険による補填後の残額514万5,235円について、相手方及び相手方が加入する交通共済協同組合に請求してきたものの支払いに応じてもらえず、今回訴えの提起に至りました。
質問1: 事故現場に信号機や横断歩道はあったか、自転車側に過失はあったか?
浜田ゆきひろ委員は、事故現場の交差点に信号機や横断歩道などがあったか、また自転車を運転していた被保護者側に過失があったかを確認しました。
区の答弁(大泉総合福祉事務所長)
〈答弁のポイント〉
事故現場には信号機・横断歩道等はなく、被保護者に過失があった事実は区として把握していないと答弁しました。
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事故の現場には、信号機、横断歩道等はありませんでした。また、区は、自転車を運転していた被保護者に過失があったという事実は把握しておりません。
相手方が主張する過失割合の根拠
被保護者に過失がなかったと区が認識している一方、事故の相手方が加入する交通共済協同組合は、被保護者と相手方の過失割合が双方50%であると主張しており、これが合意に至らなかった要因となっています。
質問2: 相手方が過失割合50%を主張する理由は分かっているか?
浜田ゆきひろ委員は、一般的に交通弱者である自転車側より車側の過失割合が大きくなるとされる中、相手方が双方50%の過失割合を主張する理由が判明しているかを尋ねました。
区の答弁(大泉総合福祉事務所長)
〈答弁のポイント〉
相手方の共済組合が50%を主張する明確な理由は現時点では分からず、今後の裁判の中で明らかになると考えていると答弁しました。
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相手方の共済組合が50%という主張をしているわけでございますが、はっきりした理由は今のところ分かりません。その点につきましては、今後の裁判の中で明らかになっていくものと考えております。
後遺障害の賠償と訴えの対象範囲
被保護者は大腿骨骨折後に人工関節を入れており、後遺障害の認定を受け、自賠責保険から461万円の保険金が本人に支払われています。今回の訴えの対象は、区が支出した医療扶助・介護扶助・介護給付費に関するものであり、後遺障害分とは異なる範囲であることが確認されました。
質問3: 後遺症の賠償は今回の訴えの争点に含まれるか、また今後追加の請求は発生するか?
石森愛委員は、被保護者に支払われた461万円の保険金が本人のものか、また今回の訴えの争点に含まれるか、さらに今後後遺症について追加の請求が発生する可能性があるかを確認しました。
区の答弁(生活福祉課長・大泉総合福祉事務所長)
〈答弁のポイント〉
461万円は被保護者本人に支払われたものであり、今回の訴えは区が支出した医療扶助・介護扶助・介護給付費が対象であって後遺障害分は含まれないこと、また後遺障害は症状固定・保険金支払い済みのため今後の追加支払いは発生しないと答弁しました。
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今回争点になっているのは、医療扶助及び介護扶助、介護給付費に関するものでございます。自賠責保険から払われたものは、保険給付ではないので、我々としては医療扶助として支払っているものについて訴えの提起を行い、損害賠償請求を行うものとなります。後遺障害に関しましては、症状固定がされて保険金が支払われていますので、今後の支払い等はございません。
質疑のポイントとまとめ
- 生活保護受給者が交通事故で負傷し、区が支出した医療扶助・介護扶助・介護給付費計527万2,835円について、区は損害賠償請求権を取得しました。
- 自賠責保険補填後の残額514万5,235円について相手方・共済組合に請求してきましたが、支払いに応じられず訴えの提起に至りました。
- 事故現場には信号機・横断歩道はなく、被保護者側の過失は区として把握していない一方、相手方は過失割合50%を主張しており、根拠は今後の裁判で明らかになる見込みです。
- 被保護者本人に支払われた後遺障害の自賠責保険金461万円は、今回の訴えの対象とは別であり、後遺障害分の追加請求は発生しないことが確認されました。
⇒ 今後の動向を注視してまいります。
議事録抜粋(出典)
| 発言者 | 会議 | 発言抜粋 |
|---|---|---|
| 生活福祉課長 | 保健福祉委員会 | 区は、当該補填後の残額の514万5,235円について、事故の相手方及び同人が加入する交通共済協同組合に請求を行ってきたが、今日に至るまで支払いに応じていない状況でございます。 |
| 浜田ゆきひろ委員 | 保健福祉委員会 | 相手方が双方50%の主張をしている理由は分かっているのでしょうか。 |
| 大泉総合福祉事務所長 | 保健福祉委員会 | 事故の現場には、信号機、横断歩道等はありませんでした。また、区は、自転車を運転していた被保護者に過失があったという事実は把握しておりません。 |
| 石森愛委員 | 保健福祉委員会 | 後遺症の賠償は介護給付費になるのか、そこら辺が分かれば教えてください。 |
出典: 議事録より抜粋。全文は区議会の会議録をご覧ください。